ブックタイトル広報なかがわ No.134

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概要

広報なかがわ No.134

秋季特別展こいしかわ「浮世絵名品展-礫川・松井コレクション-」礫川・松井コレクションが形成される契機となったのは、松井英男氏が米国の美術館第134回に来館した時でした。氏はこれについて「(略)ボストン美術館で、大規模な世界三千年の人類の顔展が開催されており、会場入口の広告看板に飾られていたのは、ミロのビーナスやモナリザでもなくレンブラントやゴッホ、ましてピカソでもない、なんと歌麿の美人の大首絵版画であった。とにかく大きなカルチャー・ショックを受け日本文化についての考えを改め米国生活を終え日本に帰った。」(『逸品に見る浮世絵250年』)と語っています。それから東京都文京区内の自宅を兼ねたビルに、礫川浮世絵美術館を開設しました。しかし残念なことに2013年春に氏が亡くなられ、同年秋に夫人も亡くなりました。同コレクションの行く末が心配されていましたが、幸いにしてこのコレクションを受け継ぐ方が現れ、同コレクションは定山渓美術館に引き継がれることになりました。今回紹介する作品は、葛飾北斎(1760~1849)が描いさんかはくうた「冨嶽三十六景山下白雨」です。北斎の享年は90歳で、画号は30以上も変え、その度に画風も変化させていました。住居は90回以上住み替えたかなりの変人に見えますが、絵師としての業績はすばらしく革新的な作品をいくつも残しています。「冨嶽三十六景」(大判46枚、版元西村屋与八)は画面上の構図の歪みが少なく、北斎独自の造形感覚で構図が工夫され、江戸の庶民に好評でした。この作品は浮世絵の市場に美人画、役者絵に続く第三の市場になる契機となりました。北斎はこの作品につづき「諸国瀧廻り」、「諸国名橋奇覧」などの風景画を陸続と出板しました。北斎の後に歌川広重や歌川国芳などの絵師が風景画を描きました。図の「山下白雨」は、富士五湖の1つ河口湖畔から捉そびえた富士といわれています。大きく雄大に聳える富士山「冨嶽三十六景-山下白雨-」葛飾北斎を簡潔な構図で表現し、富士山の頂上付近は雲1つ無い晴天ですが、山下には突然降り始めた雨と稲妻が走っています。馬頭広重美術館館長市川信也【会期】秋季特別展「浮世絵名品展-礫川・松井コレクション-」後期:~11月27日(日)企画展「青木コレクション展蘇峰と藤作」12月3日(土)~平成29年1月15日(日)【ミュージアムトーク(展示解説)】12月3日(土)午後1時30分~当館館長【開館時間】午前9時30分より午後5時まで(但し入館は午後4時30分まで)【休館日】月曜日、祝日の翌日【入館料】特別展大人700円(630円)高・大学生400円(360円)企画展大人500円(450円)高・大学生300円(270円)※()は20名以上の団体料金。※中学生以下は無料。※障がい者手帳等をお持ちの方・付き添い1名は半額平成27年度那珂川町観光写真コンテスト受賞作品入選「遠足日和」撮影者:大野和三さん(那須烏山市)入選「秋の訪れ」撮影者:佐藤治男さん(真岡市)No.134平成28年11月10日号●編集/企画財政課?0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭409 URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp26