ブックタイトル広報なかがわ No.146

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概要

広報なかがわ No.146

第146回じろうおさらぎ作家、大佛次郎の遺品には、多くの浮世絵が含まれています。こきの浮世絵は、画家、木むらしょうはち村荘八の形見として大佛次郎に贈られたものです。むてき木村荘八は、「霧笛」げんとうや「幻燈」など、大佛次郎の小説に情緒あふれる挿絵を描きました。木村荘八も大の猫好きで、二人は顔を合わせるとお互いに飼っている猫の数を報告し合っていたといいます。その浮世絵コレクションの中に、猫の浮世絵の傑作とそのじぐちみょうかいこうごじゅうさんびきされる「其まゝ地口猫飼好五十三疋」が含まれています。「猫飼好五十三疋」を口に出して読んでみると、なんだか聞いたことがあるような響きだと思いませんか?そうです。実は、これは「東海道五十三次」のもじりになっているのです。三枚続きの画面にたくさんの猫が描かれているこの作品は、猫好きで知られる幕末の浮世絵師、歌川国芳によって制作されました。東海道の宿場名とともにその「地口」、今でいう「ギャグ」が添えられていて、そのギャグに合わせた猫の姿が描かれています。にほんばしたとえば、「日本橋」は「二本だし」。ダシをとる鰹節の秋季特別展おさらぎじろう大佛次郎生誕120年記念「大佛次郎と501匹のねこ」束から二本引っ張り出し、それをかじっている猫が描かふじえだれています。静岡県の「藤枝」では、ねずみ取りの下手なぶち猫が、ねずみたちにからかわれている姿が描かれ、「ぶちへた」という言葉が添えられています。なかには無理やりこじつけたような言葉もあり、その駄洒落のおかしさや、愛嬌のある猫の仕草や表情に思わずくすりと笑ってしまいます。大佛次郎もこの浮世絵をにやにやしながら眺めていたに違いありません。展覧会では作品とともに、各宿場の「地口」を読み解いたパネルを展示しています。猫好きの国芳の遊び心が詰まった名品をぜひ展覧会でご覧下さい。馬頭広重美術館主任学芸員長井裕子【会期】後期~11月26日(日)【開館時間】午前9時30分~午後5時(ただし入館は午後4時30分まで)【休館日】月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日【入館料】大人700円(630円)高・大学生400円(360円)※()は20名以上の団体料金※中学生以下は無料※障がい者手帳等をお持ちの方とその付き添い1名は半額そのじぐちみょうかいこうごじゅうさん歌川国芳画「其まゝ地口猫飼好五十三疋びき」平成28年度那珂川町観光写真コンテスト受賞作品夕焼け賞「冬の華」撮影者:斉藤英光さん(大那地)撮影地:矢又No.146平成29年11月10日号●編集/企画財政課?0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭555 URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp22