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概要

広報なかがわ No.158

企画展尾形月耕展―花と美人と歴史浪漫―尾形月耕「花美人名所合亀戸臥龍梅」 「花美人名所合堀切の菖蒲」今回で尾形月耕展のご紹介をするのは3回目で、今回は月耕の錦絵代表作「花美人名所合」の2点をご紹介します。「花美人名所合」第158回は明治28年から発行された美人と東京の花名所を大判3枚続きというダイナミックな構図で描いたシリーズです。まず1点目は「花美人名所合亀戸臥龍梅」。雪が降りつもる寒空の下で、2人の女性が咲きほころぶ梅を鑑賞しています。淡い色彩で亀戸梅屋敷の風景を描き、黒い梅の木と鮮やかな女性たちの姿が一層映えて見えます。がりゅうばい画題の「臥龍梅」とは、龍がとぐろを巻いたような形態を持つ梅です。臥龍梅が咲く亀戸梅屋敷は、呉服商の伊せいきょうあん勢屋彦衛右門の別荘「清香庵」で、江戸時代より梅の名所として親しまれました。2点目は「花美人名所合堀切の菖蒲」。青いすだれがかかる休憩所から女性たちが、一斉に咲いた花菖蒲を眺めています。初夏の風景の中で女性たちの着物が鮮やかに描かれ、より目を引き付けます。女性たちの傍らには洋傘が立てかけられ明治の世相を思わせます。この菖蒲ほりきりかつしか園は堀切(現東京都葛飾区)にあり、堀切を含む葛西は花の栽培が盛んで、堀切は江戸時代より花菖蒲の名所として親しまれました月耕は江戸に生まれ育ち、東京で画業を勤めて生涯を閉じた人物です。特に印刷と出版の町であった京橋は月耕の画業を進めるにあたり、離れがたい土地でもあったと言われています。「花美人名所合」では住み慣れた東京の名所を対象としてますが、江戸から親しまれた名所を派手な色彩ではなく、水彩のように繊細なタッチで描きあげました。また2つの図のように、明治の世を思わせる要素もさりげなく加えることにより自然体で月耕が生きた時代を表現しています。2点目に描かれる堀切の菖蒲は現在も残る名所ですが、1点目の臥龍梅は現存しておらず歴史資料や浮世絵でしかその姿を見ることはできません。臥龍梅を描いた錦絵は多数あり、月耕の描いた繊細な臥龍梅の風景もその存在を伝える一つの作品と言えるでしょう。尾形月耕「花美人名所合亀戸臥龍梅」尾形月耕「花美人名所合堀切の菖蒲」今回の展覧会では図録も発行しております。図録では展覧会やこの紙面で伝えきれない月耕の当館収蔵全作品とその魅力を詰め込みました。これまでの広報紙でのご紹介で、少しでも月耕に魅力を感じて手に取っていただけたら幸いです。馬頭広重美術館学芸員山内れい【会期】後期11月8日(木)~12月16日(日)休館日月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日【開館時間】午前9時30分~午後5時(ただし入館は午後4時30分まで)【ミュージアムトーク(展示解説)】後期11月10日(土)午後1時30分~当館学芸員【入館料】大人500円(450円)高・大学生300円(270円)※()は20名以上の団体料金※中学生以下は無料※障がい者手帳等をお持ちの方とその付き添い1名は半額【無料開放のお知らせ】11月18日(日)は無料開放いたします。【お詫びと訂正】広報なかがわ10月号広報展示室で記載に誤りがありました。正しくは「小狐丸」です。ここに訂正しお詫びいたします。馬頭広重美術館友の会2年後に迎える馬頭広重美術館開館20周年記念プレイベントとして、美術館を設計した建築家隈研吾さんの講演会が10月7日、あじさいホールにて開催され、町内外から約350人が参加しました。隈さんは美術館について、周囲の里山と集落が一体となった日本の原風景の様なデザインがスタートと話し、「里山がブームとなる前に、この町の風景に教えてもらった」と振り返っていました。トークライブは、友の会会員限定で行われ、約100人の会員が隈さんと一緒に美術館を見て回りました。隈研吾講演会トークライブを開催No.158平成30年11月10日号●編集/企画財政課?0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭555 URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp24