ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

広報なかがわ No.173

第173回滝の音はたへてひさしくなりぬれど名こそながれてなほ猶きこえけれこの和歌では、嵯峨天皇にゆかりのある滝殿に人々が集まり、賑やかに宴が行われたことを思い出しています。しかし、滝の音は消え、その様子は過去のものとなってしまいましたが、耳の奥では滝の音が聞こえ、賑やかな宴を思い出すことができると詠っています。そんな懐かしいかつての滝の音を詠う和歌に、歌川国芳はどんな絵を描いたのでしょうか。華やかな着物に身を包むのは雪姫という女性です。雪姫は脇差を握りしめ、後ろに流れ落ちる滝を見ています。その瀧を上っているのはなんと黄金の龍でぎおんさいれいしんこうきす。これは「祇園祭礼信仰記」の四段目「金閣寺」の一場面を描いています。雪姫は室町時代の絵師の雪舟かのうしょうかんの孫娘で、狩野将監の娘です。狩野家には雪舟が唐くりからまるで明帝から貰った宝刀の倶利伽羅丸が伝わっていました。しかし、足利将軍家を滅ぼし天下を狙う松永大膳に将監は殺され、宝刀も奪われてしまいます。雪姫も大膳に代々伝わる秘法で雲竜を描くことを命令されますが、手本が無ければ描けないと抵抗します。ここで大膳が奪った倶利伽羅丸を滝にかざすと龍が現れ、父の仇が目の前の大膳であると悟りました。大納言公任の滝の音を詠う歌に、歌川国芳は滝を背景としたシーンを描いています。代々、龍など描き方を受け継ぐ雪姫と宝刀倶利伽羅丸の龍、そして龍を出現させた滝、それぞれのキーワードから歌を連想させます。父を殺され、宝刀も奪われた雪姫は大膳に切りかかりますが、縛られてしまいます。しかし、雪姫は足で桜の花びらをつかって鼠の絵を描きます。する企画展「江戸の百人一首」だいなごんきんとう歌川国芳「小倉擬百人一首大納言公任」と白鼠が現れ、雪姫は無事脱出することができました。この脱出劇は涙で鼠を描いた史実上の雪舟を思い出すことができまおぐらなぞらえひゃくす。「小倉擬百にんいっしゅ人一首」は一つ一つの描写を見るだけでも見応えがありますが、歌との関係や描かれる物語の背景を知るとより一層楽しむことができます。当時の人々も歌と絵を併せて鑑賞し、意味を考察して何段階も踏んで楽しんだことでしょう。展覧会では主に絵の解説のほかに歌との関係性も説明していますので、お気に入りの登場人物や場面を見つけたら是非一緒に考えてみてください。馬頭広重美術館学芸員山内れい【会期】前期2月16日(日)まで後期2月21日(金)?3月29日(日)【ミュージアムトーク】2月22日(土)午後1時30分?【開館時間】午前9時30分?午後5時(入館は午後4時30分まで)【休館日】月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日【入館料】大人500円(450円)高・大学生300円(270円)※()は20名以上の団体料金※中学生以下は無料※障害者手帳等をお持ちの方とその付き添い1名は半額平成30年度那珂川町観光協会写真コンテスト受賞作品撮影者:小野入線「寒椿の中で」昌宏さん(さくら市)撮影地:矢又地域おこし協力隊活動報告会のご案内那珂川町で現在活動中の「地域おこし協力隊」について、隊員の活動を広く住民の皆様に知っていただくため、地域おこし協力隊の活動報告会を開催します。日時3月19日(木)午後6時30分(受付開始)場所役場201、202、203会議室内容地域おこし協力隊の活動内容の発表及び交流会※申し込み不要問い合わせ企画財政課なかがわぐらし推進係?0287-92-1114No.173令和2年2月10日号●編集/企画財政課?0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭555 URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp22