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概要

広報なかがわ No.174

企画展「江戸の百人一首」第174回もろともにあハれとおもへ山さくら花よりほかにしる人もなし暖冬とは言えど、寒い冬も終わりを迎えて春を予感させる季節となりました。春と言えば桜ですが、今回は桜にちなんだ歌と作品をご紹介します。歌は、この山奥ではだれも知り合いはいないが、私が山桜を愛しいと思うように愛しいと思ってくれないかとさきのだいそうじょうぎょうそん吉野山で前大僧正行尊が寂しい心情を詠ったものです。この山桜と孤独を詠う歌に絵師の歌川広重はどんな絵を描いたのでしょうか。くがのすけ描かれている男性の名は久我之助です。久我之助いもせやまおんなていきんは「妹脊山女庭訓」に登場する人物ですが、何やら吉野川のほとりで思い悩んでいる様子です。吉野川のほとりには歌の山桜を連想させるように、桜が咲き誇り、はらはらと花びらが舞っています。久我之助ひなどりには、雛鳥という恋仲の女性がいますが、二人の家は吉野川を挟んで領地争いをしていました。久我之助と雛鳥は自身ではどうにもならない恋の問題に直面しており、久我之助が悩んでいるのはそのことでしょう。結局この恋は、二人の死によって終わりを迎えてしまいます。悲しくも両家は二人の死によって和解し、死して二人は夫婦になります。吉野川にはかな舞い落ちる桜の花びらは、二人の儚く散ってしまう命を予感させるようです。3回にわたり、小倉擬百人一首の作品をご紹介しました。この100枚に渡る浮世絵のシリーズは、様々なテーマと百人一首を絡めて色彩豊かに描いています。そのテーマは悲恋物語や怪談、武勇伝など多岐にわたります。当時流行していた歌舞伎や浄瑠璃などを描く事が多く、当時の人々にとって様々なシーンや背景を連想させ心躍らせるシリーズだったさきの歌川国芳「小倉擬百人一首前だいそう大僧じょう正ぎょう行尊そん」かもしれません。今回はその数ある作品のなかからの1点のご紹介になりましたが、他の作品と共にシリーズを通して鑑賞するとまた違った印象を持つでしょう。是非、展示室で作品そのものを楽しんでいただけたら幸いです。馬頭広重美術館学芸員山内れい【会期】後期3月29日(日)まで【開館時間】午前9時30分?午後5時(入館は午後4時30分まで)【休館日】月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日【入館料】大人500円(450円)高・大学生300円(270円)※()は20名以上の団体料金※中学生以下は無料※障害者手帳等をお持ちの方とその付き添い1名は半額平成30年度那珂川町観光協会写真コンテスト受賞作品入選「桜の鐘つき堂」撮影者:千葉一儀さん(馬頭)撮影地:馬頭3月は自殺対策強化月間です3月は自殺で亡くなる方の最も多い月です。こころの悩みを抱えていたり、自殺について思い悩んでいませんか?もしあなたが悩みを抱えていたら、もしあなたの身近に悩んでいる人がいたら…ぜひ相談してください。○こころの健康相談統一ダイヤル(無料)?0570-064-556※平日午前9時?午後5時受付○よりそいホットライン(無料)?0120-279-338※24時間受付○栃木いのちの電話(無料)?028-643-7830※24時間受付問い合わせ健康福祉課健康増進係?0287-92-1119No.174令和2年3月10日号●編集/企画財政課?0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭555 URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp18