ブックタイトルnakagawa_202011

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概要

nakagawa_202011

開館20周年記念特別展「那珂川町馬頭広重美術館名品展」第182回9月から始まった「那珂川町馬頭広重美術館名品展」は後期展示に入りました。前回に続いて、展示作品の中から1点をご紹介いたします。あお暴風に煽られ今にも沈みそうな船。目の前には巨大な波が待ち受けます。どんよりと暗い空には無数の人影が怪しく浮かび上がり、船の上えんさの武者たちに怨嗟の声を浴びせています。ここに描かれているのは源義経の一行です。頼朝に追われる身となった義経は、西国へ逃れるだいもつのうらために大物浦(兵庫県尼崎市)から船を出しますが、その海上に壇ノ浦で敗れた平家の怨霊が現はばれ、行く手を阻みます。謡曲「船弁慶」で知られろうとうる場面です。船の帆をたたむ郎党たちの中、赤い衣装で刀に手を添えるのが義経です。船の後方の弁慶は、指をさして怨霊の出現を伝えていあづまかがみます。『吾妻鏡』によれば、義経が大物浦から船きとうを出したのは11月6日。謡曲では弁慶の祈祷で怨霊を退けますが、実際は暴風のためにこの船出は失敗したようです。不気味な場面ではありますが、青や黒の亡霊たちや波間の青のグラデーションには幻想的な美しさも感じられるのではないでしょうか。慣れてくると恐ろしげな怨霊たちもなんだかユーモラスに思えてきませんか?歌川国芳「大物之浦平家の亡霊」開館20周年を記念した特別展「那珂川町馬頭広重美術館名品展」は、12月6日まで開催しております。おなじみの作品から、ユニークな作品まで、選りすぐりの作品が展示されておりますので、ぜひ会場でお楽しみください。馬頭広重美術館嘱託学芸員櫻井貴基【会期】12月6日(日)まで【開館時間】午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)【休館日】月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日【入館料】大人700円(630円)高・大学生400円(360円)※()は20名以上の団体料金※中学生以下は無料※障害者手帳等をお持ちの方とその付き添い1名は半額2 019年度那珂川町観光協会写真コンテスト受賞作品最優秀賞「本宮に向う(夜まつり)」撮影者:江川多嘉さん(宇都宮市)撮影地:矢又入選「盛秋の境内」撮影者:江川清さん(宇都宮市)撮影地:馬頭No.182令和2年11月10日号●編集/企画財政課? 0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭555URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp26