ブックタイトルnakagawa_202105

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概要

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企画展「明治を生きた浮世絵師―小林清親と井上安治―」第188回今回の企画展では、小林清親と井上安治という、明治時代に活躍した2人の浮世師の作品を中心に展示します。今月はその展示作品の中から、井上安治「日本橋」をご紹介します。井上安治は元治元年(1864)、浅草の生まれです。幼いころから絵が好きで、明治11年(1878)頃に小林清親のもとへ弟子入りしました。当時、小林清親は光線画という光と影の表現に優れた新しい浮世絵を発表し脚光を浴びていました。安治も師匠の画風を継承し、入門して2年後の明治13年にデビューします。清親の一番弟子ともいわれ、とうきょうしんがめいしょずかい「東京真画名所図解」と呼ばれている全134点にわたる一連の作品群を世に送り出しましたが、病気によって26歳という若さで亡くなります。今回紹介する作品は、そのシリーズの中の1枚です。日本橋の浮世絵と聞くと、歌川広重の保永堂版「東海道五拾三次之内」の日本橋などを思い出す人も多いかもしれませんね。こちらの作品は、明治時代の日本橋です。江戸時代には、東海道をはじめとする「五街道」の出発点として栄えてきた日本橋。明治時代になってもその賑わいは変わりませんでしたが、レンガ造りの倉庫が立ち並ぶなど、江戸時代とは違った風景となりました。江戸時代の日本橋は、真ん中に行くにつれて高くなる太鼓橋でしたが、この作品に描かれた日本橋は平坦です。これは明治6年に新しく架け替えられた日本橋で、このころ普及してきた馬車や人力車が通りやすい▲井上安治「日本橋」ように平らな造りにしたといいます。明治44年には現在のような石造りの日本橋になりました。清親や安治の作品は、当時の新しい表現技法を取り入れた新しい時代の浮世絵であったとともに、明治時代の面影を現在に伝えているという点も見どころのひとつです。本企画展を通して、ぜひ移りゆく時代の雰囲気を感じてみてください。馬頭広重美術館学芸員太田沙椰香【会期】5月14日(金)~6月13日(日)【開館時間】午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)【休館日】月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日【入館料】大人500円(450円)高・大学生300円(270円)※()は20名以上の団体料金※中学生以下は無料※障がい者手帳等をお持ちの方とその付き添い1名は半額令和2年度那珂川町観光協会写真コンテスト受賞作品入選「収穫が楽しみ」撮影者:江川清さん(宇都宮市)撮影地:白久入選「静寂」撮影者:櫻岡進さん(大田原市)撮影地:富山No.188令和3年5月10日号●編集/企画財政課? 0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭555URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp24