ブックタイトルnakagawa_202106

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概要

nakagawa_202106

特別展「帰ってきた!猫じゃ猫じゃ展」第189回実をつけたトマトの影で何かを狙うしんしん猫。興味津々な目や、前方に向いた耳と髭が、描かれていない何かの存在を意識させます。しなやかな体の毛並みは、短い線と影で表現され、なんだかふわふわとしたさわり心地を想像してしまいます。一方、地面を見てみると、バレン(摺りの道具)の跡が残り、曲線が複雑に重なっているのがわかります。これは、ザラ摺りと呼ばれる技法で、ここでは、地面の硬くざらついた感じを演出しています。夏の強い日差しを受け、トマトの赤い実には濃い影ができています。色づき始めた実や黄色い花をつけ、支柱に支えられるトマトは、たいへん写実的に描かれ、青い匂いまで伝わってくるようです。展示室では、猫の前脚にもご注目ください。しっかりと爪を出し、地面を踏んでグッと力をためている様子が感じられると思います。ひろあき作者の高橋弘明(1871~1945)は、明治から昭和ふうこ期の版画家。叔父である日本画家・松本楓湖に日本画を学びます。36歳の頃に、新版画の流れを主導した浮世絵商・渡邊庄三郎に出会い、新しい木版画を制作しました。この作品の他にも、真っ黒な背景に、静かに座る白猫を描く作品があります(前期展示)。正面を見つめる猫のまなざしが印象的なその作品も、猫の魅力を巧みに表現しています。特別展「帰ってきた!猫じゃ猫じゃ展」では、歌川国芳や歌川広重をはじめ、浮世絵に描かれた猫が大集合!加えて、近代の画家が描いた猫や、猫の人形も展示される猫づくしの展覧会です。眠る猫、いたずらする猫、踊る猫、いろいろな猫をお楽しみください。馬頭広重美術館嘱託学芸員櫻井貴基【会期】前期:6月19日(土)~7月25日(日)後期:7月29日(木)~8月29日(日)【開館時間】午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)【休館日】6月21日、28日7月5日、12日、19日、26~28日8月2日、10日、16日、23日【入館料】大人700円(630円)高・大学生400円(360円)※()は20名以上の団体料金※中学生以下は無料※障がい者手帳等をお持ちの方とその付き添い1名は半額▲高橋弘明「猫」(個人蔵)2020年度那珂川町観光協会写真コンテスト受賞作品入選「群れる太公望」撮影者:露久保一さん(大内)撮影地:小口入選「紫陽花の丘」撮影者:福田英二さん(宇都宮市)撮影地:鷲子山上神社No.189令和3年6月10日号●編集/企画財政課? 0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭555URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp24