ブックタイトルnakagawa_202109

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概要

nakagawa_202109

かわむらきよ特別展お川村清雄その画業第192回バラの枝にとまっおうむて翼を広げる鸚鵡。せんめいかつ背景の赤が鮮明且印象的な作品です。作者は明治の洋画家・川村清雄(1852~1934)。20代の頃、西欧で西洋画を学び、帰国後は画家として活動した人物です。清雄は異国で日本の伝統と美を再認識し、西洋画技術で『日本の油絵』が描けないかと追求し続けました。さて、この赤の背景はどのように作られたのでしょうか。油絵と聞くとキャンバスに油絵の具を一面に塗って描くと想像しますが、漆板に油絵の具でしゅうるし鸚鵡をリアルに描いています。そう、これは朱漆。清雄は、漆や絹など日本美術の素材に油絵を描くことを、『日本の油絵』の答えの一つとして考えました。うるしきぬまた、日本画では漆や絹の素地を残す事が多いですが、西洋画では全面を塗りつぶして素地を残さないほとん事が殆どです。清雄は朱漆の色を活かし、モチーフだけに絵の具を塗っています。なぜ清雄は『日本の油絵』を描こうとしたのでしょうか。清雄が留学した明治初頭はジャポニズまっただなかムの真只中。パリでは万国博覧会が開催され、清雄も訪れていました。清雄は現地で日本美術への称賛を聞き、帰国前には友人のリーコから「貴方がたの持っている日本趣味を失わないようにして下さい」と言われていました。しかし、清雄が帰国した時の日本は西洋化が進み、留学前とはまるで違う光景。清雄は日本美術と油ゆうごう絵の融合を目指す事を決意します。本展覧会では、漆板の他金屏風やお盆に描かれた油絵もご紹介します。一体どんな油絵が出来上がったのか、その結果は美術館でご覧ください。馬頭広重美術館学芸員山内れい【会期】前期9月14日(火)~10月3日(日)後期10月8日(金)~11月7日(日)【休館日】月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日【開館時間】午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)【入館料】大人700円(630円)高・大学生400円(360円)※( )は20名以上の団体料金※中学生以下は無料※障がい者手帳等をお持ちの方とその付き添い1名は半額▲川村清雄『鸚鵡(おうむ)』目黒区美術館蔵2020年度那珂川町観光協会写真コンテスト受賞作品入選「雑木林の少女」撮影者:田代宏明さん(塩谷町)撮影地:小砂No.192令和3年9月10日号●編集/企画財政課? 0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭555URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp26