ブックタイトル広報なかがわ No.137
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広報なかがわ No.137
企画展にせむらさき浮世絵で楽しむ源氏物語いなかげんじ-「偐紫田舎源氏」の世界-皆さんは、「天保の改革」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。日本史の教科書第137回で読んだことはあるけれど、あまりピンとこないという人が多いかもしれません。みずのただくに「天保の改革」は老中水野忠邦によって1841年から1843年にかけて行われた江戸時代の三大改革のひとつです。贅沢を禁じ、風紀を乱すものは厳しく取り締まられました。にせむらさきいなかげんじ今回の展覧会のテーマである『偐紫田舎源氏』(柳亭種彦作・三代歌川豊国画)もこの改革で処分を受けました。『偐紫田舎源氏』は、『源氏物語』を室町時代に移して翻案された草双紙で、歌舞伎や浄瑠璃の世界を取り入れながらお家騒動を絡めた推理小説です。初版が売り出されるとたちまちベストセラーとなり、登場人物が描かれた双六やカルタなどキャラクターグッズが出回るほどの人気を誇りましたが、38編が出版されたところで物語の結末を見ることなく、絶版となってしまいました。その豪華な仕立ての故か、あるいは主人公、足利光氏の女性遍なぞら歴に将軍の大奥生活が擬えられているといううわさのためか、処罰の理由ははっきりわかっていません。うちわえ天保の改革から数年経った頃に、この団扇絵「水のながめ」は出版されました。手前には足利光氏とお付きの女性、中洲には楽しそうに集う人々、そして川向こうには料亭のあかりが煌々と灯っている様子が鮮やかな色合いで描かれています。水野忠邦が失脚し、規制が緩くなってきたとはいえ取り締まりは続いていて、まだまだ油断は出来ない時期。改革のあおりを受けて処分を受けた『偐紫田舎源氏』の登場人物とともに、江戸の人々が自由を取り戻し、街が活気を取り戻す様子を改革で禁じられた贅沢な多色摺りで作ったこの作品の題には、改革の主導者である「水野」の「水のながめ」三代歌川豊国恵比寿堂ギャラリー蔵様子を「眺め」、用心しながら出版している、という含みが読み取れるのです。馬頭広重美術館主任学芸員長井裕子【会期】企画展浮世絵で楽しむ源氏物語-「偐紫田舎源氏」の世界-~3月5日(日)企画展徳力富吉郎と広重の「冨士三十六景」3月10日(金)~4月16日(日)【ミュージアムトーク(展示解説)】3月11日(土)午後1時30分~当館学芸員【開館時間】午前9時30分より午後5時まで(但し入館は午後4時30分まで)【休館日】月曜日、祝日の翌日【入館料】大人500円(450円)高・大学生300円(270円)※()は20名以上の団体料金。※中学生以下は無料。※障がい者手帳等をお持ちの方・付き添い1名は半額平成27年度那珂川町観光写真コンテスト受賞作品優秀賞「静けさの中を」撮影者:岡典子さん(北向田)撮影地:小川匠の館モノクロの世界に近い雪の風景、ちょっと構図を考えて(白と黒の部分の対比)シャッターを切りました。しんしんと降る静けさが伝えられたらと思いました。No.137平成29年2月10日号●編集/企画財政課?0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭409 URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp22