ブックタイトル広報なかがわ No.138
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広報なかがわ No.138
No.138 平成29年3月10日号 ●編集/企画財政課 ?0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭409 URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp 20第138回企画展 徳力富吉郎と広重の「冨士三十六景」 2013年、日本最高峰を誇る富士山は文化遺産「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」として世界遺産に登録されました。今回は自然物である富士山がなぜ文化遺産に登録されたのか、二つの作品からその理由の一部を見ていきましょう。 登録名に「信仰の対象」とあるように、富士山は古くから霊峰として信仰され、 徳 力 富 吉 郎 の「冨士三十六景ノとく りき とみ きち ろう内 冨士山頂上( 浅 間 社せん げん しゃ奥宮 )」でもその信仰が描かれまおくのみやした。富士山 本 宮 浅 間 大 社 では富士山をほん ぐう せん げん たい しゃ浅間あさまの大神 としておおみかみ祀り、富士山山頂には図のように奥宮があります。火山活動が沈静化した11世紀以降、山頂を目指し登る信仰が盛んとなり、やがて登山道として開かれていきます。徳力富吉郎も実際登って描いたのか、図でも鳥居や社殿など富士山信仰を感じさせる描写が見えます。 信仰から富士山は宗教画として描かれましたが、江戸時代以降は葛飾北斎の「冨嶽三十六景」をはじめ富士山そのものや風景として数多く描かれるようになります。さらに、これら作品は国内だけでなくゴッホの絵画など海外の芸術作品にも影響を与えました。歌川広重による「冨士三十六景 駿河三保之松原」もその一つと言えるでしょう。図に描かれる三保松原は駿河湾沿いに広がる白砂青松の景勝地であり、羽衣伝説や和歌、謡曲で親しまれました。登録された25の資産のうち最南端でしたが、一時は除外勧告を受けました。しかし、本図をはじめ15世紀以降には三保松原越しに望んだ富士山を描いた作品が多く生まれ、富士山の芸術作品の典型となった点から晴れて登録となったそうです。 徳力富吉郎と歌川広重が描いた冨士三十六景は、富士山の長く続く信仰や芸術を感じ取れるシリーズです。今回は文化遺産として世界遺産に登録された理由のほんの一部しかご紹介できませんでしたが、展覧会を通して富士山の芸術文化を感じて頂けたら幸いです。馬頭広重美術館 学芸員 山内 れい徳力富吉郎「冨士三十六景ノ内 冨士山頂上(浅間社奥宮)」第12回 那珂川町版画コンクール※( )は20名以上の団体料金。※中学生以下は無料。※障がい者手帳等をお持ちの方・付き添い1名は半額【会 期】 3月10日(金)~ 4月16日(日)【開館時間】午前 9時30分より午後 5時まで(但し入館は午後 4時30分まで)【休館日】月曜日、祝日の翌日【入館料】大 人 500円(450円)高・大学生 300円(270円)歌川広重「冨士三十六景 駿河三保之松原」 「第12回 那珂川町版画コンクール」の表彰式が、 2月17日に馬頭広重美術館で行われました。 今年は、町内の小中学校や幼稚園・保育園から、829点の応募作品があり、 2月 9日に行われた審査会で町長賞を含む119点が入賞しました。 小川教育長から「たくさんの作品から、入賞したことは名誉なこと。家族の方とみんなで喜びを分かち合ってください」とあいさつがありました。 町長賞には、大内保育園の大金夏美さん(大山田下郷)の作品「おかあさん」が選ばれました。大金さんは、紙版画の作品制作を振り返って「硬い紙をはさみで切るのが難しかった。作品の、髪の毛がお気に入り」と話してくれました。