ブックタイトル広報なかがわ No.139

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概要

広報なかがわ No.139

広重生誕220年記念春季特別展「広重と行く東海道の旅-弥次さん喜多さんも同行中!-」画面に大きく描かれわらぶた藁葺き屋根の小屋はまりこ鞠子宿の茶店です。看板には、「名ぶつとろヽ汁」「おちゃづけ」「酒さ第139回かな」などと書かれています。東海道20番目の宿駅「鞠子」は山間の小さな宿場で、とろろ汁が有名でした。店の中では二人の旅人が縁台に腰掛けて食事の真っ最中。この二人もとろろ汁を食べているのでしょうか。じっぺんしゃいっく十返舎一九の滑稽本とうかいどう『東海道ちゅう中ひざくりげ膝栗毛』には、鞠子でにわか雨に見舞われた弥次さんと喜多さんが茶店に駆け込み、とろろ汁を注文する場面がでてきます。その店の女房の姿は、ぼうぼう髪で乳飲み子を背負っているというものでしたが、広重の絵にもそのような姿の女性が描かれています。物語では、とろろ汁を作るため、店の亭主が芋を摺りますが、女房のすり鉢の持ち方が悪いと「ひょうたくれ(馬鹿者)」よわばりします。それを聞いた女房は、「おまえがひょうたくれだ」と怒り、それに対して亭主がすりこ木で一発食らわせ、女房はすり鉢を投げつけて大げんか。とろろはそこら中に散らばり、亭主がすりこ木を振り回しながら立ち上がると、とろろに滑ってすってんころりん。女房も滑って転び、けんかの仲裁に入った向かいのおかみさんも滑って転び、三人とも体じゅうとろろだらけになってしまいます。この騒動で、結局弥次さんと喜多さんはとろろ汁を食べることは出来ませんでしたが、この絵ではなごやかなムードの中、男たちが食事を楽しんでいます。広重は、『東海道中膝栗毛』では食べられなかったとろろ汁を、この作品で弥次さん喜多さんに食べさせてあげているのでしょう。広重の東海道をテーマとした作品には、弥次さん喜多さんらしき人が時折登場します。当時の人々はこのような作品から二人の珍道中を思い浮かべ、自分も東海道を旅しているような気分になったことでしょう。展覧会で「東海道五拾三次之内鞠子名物茶屋」歌川広重当館蔵は広重の代表作「東海道五拾三次之内」をはじめ、東海道に関連する作品を展示します。皆さんも弥次さん喜多さんを探しながら、江戸時代の旅をお楽しみください。馬頭広重美術館主任学芸員長井裕子【会期】前期4月21日(金)~5月21日(日)後期5月26日(金)~6月25日(日)【ミュージアムトーク(展示解説)】前期4月22日(土)午後1時30分~当館学芸員後期5月27日(土)午後1時30分~当館学芸員【開館時間】午前9時30分より午後5時まで(但し入館は4時30分まで)【入館料】大人700円(630円)高・大学生400円(360円)※()は20名以上の団体料金。※70歳以上の高齢者、中学生以下は無料。※障がい者手帳等をお持ちの方・付き添い1名は半額【花の風祭り】5月3日、4日、5日は美術館入口で文化協会茶道部による呈茶サービスを行います。平成28年度那珂川町観光写真コンテスト受賞コンテスト受賞作品撮影者:岡特別賞「春模様」典子さん(北向田)撮影地:若鮎大橋下観光協会長賞「お花見」撮影者:江川清さん(宇都宮市)撮影地:馬頭公園No.139平成29年4月10日号●編集/企画財政課?0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭409 URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp26