ブックタイトル広報なかがわ No.140

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概要

広報なかがわ No.140

「ぎゃーっ、苦しい!助けてくれー。」そんな叫び声が聞こえてきそうな夕暮れ時の宿場の往還。道の真第140回ん中では体格のよい女性が旅人を捕まえてとめおんなはたご引っ張っています。これは留女という旅籠の客引き女。強引に自分の旅籠に引きずり込もうとしているのです。首に括り付けた荷物を片手で抑えられ後ずさりする男と、腕をつかまれ離そうともがく男。こんな場面は日常茶飯事のことらしく、宿屋の女性は高みの見物と言った様子。通りがかった女性は一瞥しただけで通り過ぎようとしています。ごゆここは東海道第35番目の宿駅の御油。愛知県豊川市西部にあたります。留女は、ここの「名物」として知られていました。『東海道中膝栗毛』では、弥次さんが夜一人で御油宿に到着すると、両側から二人の留女が出てきて袖を引っ張り、うるさくつきまとう場面があります。二人ともお面をかぶっているように顔を白く塗りたくっていたということですが、この絵の女も顔が真っ白で目鼻がはっきりしません。この後、弥次さんはやっとのことで留女を振り切り、喜多さんと次の宿の手前で合流します。こうさて、右側の旅籠では足を清める泊まり客の上方に講じゅうふだ中札がかかっています。これは寺社に参詣する団体の宿舎の印ですが、よく見ると団体名ではなく、「東海道続絵」「彫工次郎兵エ」「摺師平兵衛」「一立斎図」という文字が書かれています。壁の丸い枠には版元を示す「竹之内板」の文字。一立斎とは歌川広重のことで、版元や絵師ほりしすりの名とともに、普段はなかなか表にでてこない彫師や摺し師の名まで書かれているところを見ると、「東海道五拾三次之内」の売れ行きは絶好調だったのでしょう。それを祝してそれぞれの仕事を誉め称えているのだと思われます。「東海道五拾三次之内」は、広重にとって初めての大広重生誕220年記念春季特別展「広重と行く東海道の旅-弥次さん喜多さんも同行中!?-」「東海道五拾三次之内御油旅人留女」歌川広重当館蔵ヒットとなりました。その要因は、抒情的な景色の描写や構図のすばらしさもさることながら、人気者の弥次さんと喜多さんの姿をところどころに出没させた広重のユーモアのセンスにもあったといえるでしょう。馬頭広重美術館主任学芸員長井裕子【会期】後期5月26日(金)~6月25日(日)【ミュージアムトーク(展示解説)】後期5月27日(土)午後1時30分~当館学芸員【開館時間】午前9時30分より午後5時まで(但し入館は4時30分まで)【入館料】大人700円(630円)高・大学生400円(360円)※()は20名以上の団体料金。※中学生以下は無料。※障がい者手帳等をお持ちの方・付き添い1名は半額平成28年度那珂川町観光写真コンテスト受賞コンテスト受賞作品入選「たけのこ祭り」撮影者:碓氷正和さん(那須烏山市)撮影地:馬頭撮影者:江川入選「遊具で楽しむ」多嘉さん(宇都宮市)撮影地:馬頭公園No.140平成29年5月10日号●編集/企画財政課?0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭409 URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp20