ブックタイトル広報なかがわ No.143

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概要

広報なかがわ No.143

企画展「川村清雄展」広報展示室にて「川村清雄展」をご紹介するのは今回で3回目。今回は、いつもと趣向を変えて、川村清雄がどのような方法で絵を第143回描いたのかを科学的に調査した結果を踏まえて、ご紹介したいと思います。なぜ絵画の技法を調査することが美術館で必要とされるのか、なぜ科学的に作品を調査するのか、疑問に思っかわやなぎた方は多いのではないでしょうか。一見、科学と美術作「楊柳」川村清雄品は無縁に感じるかもしれません。しかし、作品はそれ清雄の作品は現存する作品が少ないためか、どのようぞれ素材から出来上がったものであり、いつかは素材特に作品を作りあげてきたのか、まだ調査事例が少ないで有の劣化(変色や腐敗など)が生じてしまいます。劣化はす。絵画の素材を解明することによって劣化を防ぐこと素材が化学反応を起こした現象であり、作品がどんな素もできますが、清雄の制作技術の高さを証明することも材なのか分かった上で展示や保存をしなければ、劣化を可能かもしれません。展覧会では今回の調査結果の一部予防する事は難しいでしょう。また見た目で分かる素材をご紹介しています。作品の魅力だけでなく、清雄の技もありますが、絵具など化学的に合成されたものは分析術も感じて頂ければ幸いです。しなければ分からない場合も多いです。馬頭広重美術館学芸員山内れい今回は作品を傷つけず、簡易的に絵具を推定できる蛍光エックス線元素分析で、清雄がどんな絵具を使ってい【会期】後期8月10日(木)~9月10日(日)たのか東北芸術工科大学と共同で調査をしました。図の【開館時間】午前9時30分~午後5時「楊柳」では、柳の葉や水面の緑色部分ではヒ素と銅が検(ただし入館は午後4時30分まで)出され、エメラルドグリーンという絵具が使われている【ミュージアムトーク(展示解説)】事が推測されました。図右の青色部分ではコバルトの検8月12日(土)午後1時30分~当館学芸員出からコバルトブルーが使われている事が推測できます。【休館日】月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日また、分析箇所全部分から鉛が検出され、恐らく鉛白が【入館料】大人500円(450円)多くの箇所で使われた可能性が挙げられます。白色絵具高・大学生300円(270円)は様々な種類があり、鉛白の他にカキなど貝殻を砕いて※()は20名以上の団体料金作る胡粉などがあります。中でも鉛白は温かみのある白※中学生以下は無料色であり、油絵で使うポピーオイルと一緒に使うと変色※障がい者手帳等をお持ちの方とその付き添い1名は半額しにくく、劣化しにくい特徴があります。清雄の息子・※8月15日(火)は無料開放清衛氏の証言では、鉛白とポピーオイルは多く使っていた画材であり、「楊柳」など清雄の作品は変色や絵具剥がお詫びと訂正れる事は少なく、良好な状態で現存しています。パリや7月号広報展示室で記載した川村清雄「鳩図巻」ヴェネチアで本格的に油絵を学んだ清雄は、学んだ絵画の制作年代に誤りがありました。正しくは、印章技術を活かし、出来る限り良好な状態で作品が残るよう「七十七翁」より「昭和3年頃」でした。に画材を選んで作品を作っていたかもしれません。ここに訂正しお詫びいたします。平成28年度那珂川町観光写真コンテスト受賞作品最優秀賞「大魚を求めて」撮影者:富永明さん(宇都宮市)撮影地:小川地区那珂川No.143平成29年8月10日号●編集/企画財政課?0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭409 URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp22