ブックタイトル広報なかがわ No.145

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概要

広報なかがわ No.145

大正から昭和時代にかけて活躍した作家、おさらぎじろう大佛次郎は、「猫は一生はんりょの伴侶」と語るほどのあいびょうか愛猫家で、生涯に飼った猫の数は500匹を超第145回えていたといいます。多くの猫に囲まれて、大佛次郎はどのような生活を送っていたのでしょうか。次郎が初めて猫を飼ったのは小学校1年生の時でした。その猫は、引っ越してきた牛込の家に住みついていた老猫で、「たま」という名でした。「たま」は、焜炉の脇で寝てばかりいましたが、次郎にはよく馴つき、冬になると床の中へ入って来て一緒に寝たり、次郎が外から帰ってくる足音が聞こえると、玄関まで迎えに来たりしていたそうです。とりこその後、大正10年に結婚すると、酉子夫人と再び猫を飼い始めます。婦人は最初猫が嫌いだったのですが、大佛次郎に影響されてだんだんと猫好きになっていき、しまいには大佛次郎を困惑させるほどになります。秋季特別展おさらぎじろう大佛次郎生誕120年記念「大佛次郎と501匹のねこ」こんろ困ったのは、最初、嫌っていた猫を、私が好きだったところから可愛がるようになって、遂に度を過ぎて来たことである。1軒の家には猫は1匹で十分のはずだが、この家では常に平均10匹をくだらない。現在も全然盲目の猫が1匹、片目のが2匹まだ員数に加わっている。生きている捨て猫を拾ってくるのはいいが、死んだ猫まで外から拾ってきて庭に葬ってやることがあった。黙って聞いていると、近所から遊びに来た猫を相手に真顔で話をしている。「春風秋雨三十余年」よりそのうち、家の中に猫が増えすぎて、とうとう大佛次郎は、「猫が15匹以上になったら、おれはこの家を猫にゆずって、別居する。」と夫人に言い渡します。この脅迫は効き目があり、しばらくの間、15匹で落ち着いていましたが、あるとき、皿を並べて食事するところを念の為に数えてみると16匹になっていました。次郎は夫人を呼び出し、「おい、1匹多いぞ。おれは家を出るぞ。」と言うと、夫人は「それはお客様です。御飯を食べたら、帰ることになっています」と答えたそうです。展覧会では、猫とのふれあいを綴った数々のエピソードとともに、大佛夫妻が猫と戯れている写真や次郎が自ら撮った猫の写真を展示しています。昭和の文豪の意外な一面をお楽しみください。馬頭広重美術館主任学芸員長井裕子撮影:石井彰氏【会期】前期~10月22日(日)後期10月27日(金)~11月26日(日)【開館時間】午前9時30分~午後5時(ただし入館は午後4時30分まで)【ミュージアムトーク(展示解説)】後期10月28日(土)午後1時30分~当館学芸員【図書館ボランティア「たまご」のおはなし会】11月11日(土)午後1時30分~場所美術館視聴覚研修室ギャラリー※参加無料※定員50名(要申し込み)【講演会「作家・大佛次郎とねこ」】10月15日(日)午後1時30分~場所美術館視聴覚研修室ギャラリー講師大佛次郎記念館研究室員金城瑠以氏※参加無料【休館日】月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日【入館料】大人700円(630円)高・大学生400円(360円)※()は20名以上の団体料金※中学生以下は無料※障がい者手帳等をお持ちの方とその付き添い1名は半額平成28年度那珂川町観光写真コンテスト受賞作品特別賞「蓮一輪」撮影者:綿引勝春さん(大子町)撮影地:和見神生館No.145平成29年10月10日号●編集/企画財政課?0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭555 URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp24