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概要

広報なかがわ No.162

第162回企画展「近代日本と芸術」、企画展「東海道旅三昧」そろそろ春が近づく頃ですが、まだまだ冷える日が続いています。寒いのは苦手という方は多いですが、今年は何度か雪が積もり、いつもと違う那珂川町の風景を一瞬でも味わえたのではないでしょうか。雪の風景をふと眺めてしまうのは今も昔も同じで、江戸時代の浮世絵師たちも雪を眺め、描きました。現在、企画展「近代日本と芸術」での第一展示室では、そんな寒い季節にしか出会えない雪の風景を展示しています。また4月からは企画展「東海道旅三昧」の開催を予定していますので、今回の広報展示室では歌川広重が描いた東海道宿場の「江尻」の2つの風景をご紹介します。江尻は、江戸から京までを結ぶ東海道の宿駅のひとつで、現在の静岡県静岡市清水区あたりです。まずは天保(1830~44)末に制作された「東海道五十三次之内江尻清水之湊遠望」です。江尻宿付近の街道は雪が積もり、辺り一面銀世界が広がっています。街道の木々をみると幹まで真っ白で、かなりの雪が降ったことをうかがわせます。街道の旅人たちは笠をかぶり、防寒をしっかりとした服装で歩いていきます。街道の奥には宿が建ち並ぶ宿場町が見え、更に奥には白い富士がそびえ立ちます。歌川広重「五十三次名所図会十九江尻田子の浦三保の松原」2つの作品を比較すると明らかに違うのは横構図か、縦構図かですが、他にも街道の雪景色と季節をテーマにするか、その土地の見どころをテーマにするかなど同じ宿駅を描いていても違う点が多くあります。今回は江尻を取り上げましたが、広重は他の宿駅でも季節やテーマを変え、様々な視点でその土地の魅力を伝えようと描いています。縦構図が特徴的な「五十三次名所図会十九江尻田子の浦三保の松原」は4月からスタートする企画展「東海道旅三昧」で展示予定です。企画展「近代日本と芸術」で展示している横構図の「東海道五十三次之内江尻清水之湊遠望」と比較して鑑賞するのもおすすめです。実物を見て、また新たな発見があるかもしれません。興味のある方は、是非お越しください。馬頭広重美術館学芸員山内れい●企画展「近代日本と芸術」【会期】~3月31日(日)●企画展「東海道旅三昧」【会期】4月6日(土)~5月12日(日)歌川広重「東海道五十三次之内江尻清水之湊遠望」【ミュージアムトーク】4月6日(土)午後1時30分~当館学芸員次に、安政2年(1855)に制作された「五十三次名所【休館日】月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日図会十九江尻田子の浦三保の松原」を見てみましょう。【入館料】大人500円(450円)こちらは縦の構図で江尻の名所である田子の浦と三保の松原を描いています。田子の浦には清水湊から江戸へ物資を輸送する船が浮かんでいます。江尻は駿河湾・巴川を中心に水運が発達し、船の往来が盛んでした。三保の高・大学生300円(270円)※()は20名以上の団体料金※中学生以下は無料※障がい者手帳等をお持ちの方とその付き添い1名は半額松原は羽衣伝説や景勝地として親しまれました。第14回那珂川町版画コンクール「第14回那珂川町版画コンクール」の表彰式が、2月26日に馬頭広重美術館で行われました。今年は、町内の小中学校や認定こども園から814点の応募があり、入賞作品20点、入選作品90点が選ばれました。最優秀賞には、直遥香さん(馬頭東小6年)の作品「初めて見た大仏様」が選ばれ、直さんは受賞を「びっくりした」と語り、嬉しそうな笑顔を見せてくれました。No.162平成31年3月10日号●編集/企画財政課?0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭555 URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp16