ブックタイトルnakagawa_202010
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nakagawa_202010
第181回開館20周年記念特別展「那珂川町馬頭広重美術館名品展」当館のコレクションには、歌川広重の肉筆画が多く含まれています。今回はその広重の肉筆画の中から、後期に展示する「江都八景品川秋月」をご紹介します。「江都八景」は、同じく当館が所蔵する「富士十二景」とたんばかいばら共に、かつて丹波柏原藩(現・兵庫県丹波市柏原)藩主であった織田家で所持していたと伝わる広重晩年の肉筆画です。中国画や日本画で親しまれている画題に、中国どうていこしょうしょうの洞庭湖周辺から8つの景を選び描いた「瀟湘はっけい八景」というものがありますが、それにちなんで江戸の名所から8つの景を選んで描かれたのが「江都八景」で、全部で8図あります。本図はその中のひとつで、描かれているのは高輪台から東京湾を眺めた月夜の景です。空には中秋の名こうこう月が煌々と輝き、人々が月を見上げています。実はこの作品、描かれた当時の世相が反映されている作品でもあります。海の上には数隻の船と共に、島のようなものが2つ描かれています。これは台場といって、海上の砲台です。嘉永6そう年(1853)、ペリー率いる軍艦4艘が浦賀に来航し、幕府へ開国をもとめました。外国の脅威を感じた幕府は、防衛のため品川沖に台場をつくることを決め、嘉永6年8月末に着工し、嘉永7年7月までに第一、第二、第三台場の、合計3つの台場が完成しました。この作品は、当時の様子を知る上での貴重な資料でもあるのです。歌川広重「江都八景品川秋月」また、台場が2つしか描かれていないので、この作品の制作時期を推定する手がかりの一つにもなっています。ちなみに、「江都八景すさきせいらん洲崎晴嵐」(前期展示)にも台場が描かれています。是非、展示室で広重が生きた幕末という時代に思いを馳せてみてください。馬頭広重美術館学芸員太田沙椰香【会期】前期:10月25日(日)まで後期:10月30日(金)~12月6日(日)【開館時間】午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)【休館日】月曜日(祝日は開館)、祝日の翌日【入館料】大人700円(630円)高・大学生400円(360円)※()は20名以上の団体料金※中学生以下は無料※障害者手帳等をお持ちの方とその付き添い1名は半額2 019年度那珂川町観光協会写真コンテスト受賞作品優秀賞「雨中の紅葉見物」撮影者:小林正行さん(大田原市)撮影地:馬頭入選「秋の空!!」撮影者:熊田行雄さん(福島県鏡石町)撮影地:白久No.181令和2年10月10日号●編集/企画財政課? 0287-92-1114 Fax0287-92-1316●発行/那珂川町役場/栃木県那須郡那珂川町馬頭555URL http://www.town.tochigi-nakagawa.lg.jp28